【読書メモ】ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣

ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣」は単に目標を設定して、目標を達成するために良い習慣を身に付けるという精神論だけでなく、好ましい習慣を身に付けるためのノウハウがまとめられた本です。

行動変化の3つの層

行動変化には「第一層:結果」「第二層:プロセス」「第三層:アイデンティティ」3つの層があるというまとめ方は私の腑に落ちた。

これは、「Be-Do-Haveの法則」を具体的にどのようにすればよいかを教えてくれていると思う。

目標を立てるというのは、第一層の結果にフォーカスしている。これが明確にイメージできれば、自然に行動できるようになると思いがちだが、そんな簡単ではない。
私自身も目標を立てて、達成できなくて挫折したことが数えきれないほどある。
行動を起こすためには、第二層のプロセスの変化にアプローチする必要がある。

第二層のプロセスは、習慣化したい行動へのアプローチである。
この本で多くの部分は、このプロセスを継続的に行うために必要なノウハウを提示してくれている。

第三層のプロセスは、アイデンティティの変化へのアプローチである。
もし、ダイエットしたくても、あなたのアイデンティティが太っているということなら、やせるための行動をしていても違和感を感じて続かない可能性が高い。あなたが思う理想の体型が本来のあなただというアイデンティティを持つことができれば、やせるための行動(ダイエット)を当たり前に行うことができるようになる。
永続的に習慣化するには、第三層のアイデンティティを変化させることが必要である。
アイデンティティを変化させるには、行動を繰返すことで、その行動を行うことが当たり前だと感じるることができるようになる。そのためのノウハウを次項以降にまとめる。

習慣ループ

良い習慣化には下記の4ステップをループさせることでできると述べている。

  1. きっかけ:はっきりさせる
  2. 欲求:魅力的にする
  3. 反応:易しくする
  4. 報酬:満足できるものにする ⇒1に戻る

悪い習慣を止める場合はこれの逆をすればよい

  1. きっかけ:見えないようにする
  2. 欲求:つまらなくする
  3. 反応:難しくする
  4. 報酬:満足できないものにする ⇒1に戻る

第1の習慣:はっきりさせる

現在の習慣を全て書き出す

まずは1日の行動を振返り全ての習慣を書き出します。良い習慣、悪い習慣、どちらでもない習慣に分ける。良い習慣と悪い習慣の見極めは、長期的に見て人生にとって役に立つかどうかで判断するとよい。

実行意図(習慣を引き起こすきっかけ)

習慣化のために<「いつ」「どこで」「なにを」>するのかを明確にする。
これを決めることで行動を起こしやすくなる。

ひとつでもあいまいだと、行動する度に考えるのにエネルギーを使って、行動を起こしにくくなる。

習慣を抱き合わせ

新しい習慣を身に付けるときは、現在の習慣と抱き合わせてで行うと身に付きやすい。新しい習慣単独では、挫折しやすいが、現在の習慣のおまけの感覚で新しい習慣を行うことで実施のハードルをさげることができる。

「現在の習慣」→「新しい習慣」

新しい習慣が身に付いたら、さらに新しい習慣をセットにして身に付ける。これを繰返すことで習慣を次々と身に付けることができる。

環境を作る

習慣を行いやすいように環境を作ることで、習慣化したい行動をするためのハードルを下げることができる。
本を読むことを習慣にするなら、次に読む本を目に見えるところに置いておくなどの工夫をする。

また、新しい習慣を身に付けるなら、新しい環境で行うと身に安い。新しい環境は、古い習慣との結びつきがないから、古い習慣に邪魔されることがないためです。

第2の習慣:魅力的にする

誘惑の抱き合わせ

馬の目の前にニンジンをぶら下げる作戦です。

身に付けたい習慣と、自分がしたい行動を抱き合わせて行うことである。飴を準備して新しい習慣を身に付けるという考え方です。
例えば、ウォーキングを習慣にしたいなら、あなたが好きな小説などのオーディオブックを聞くのはウォーキングするだけとするなど。

逆にあなたが止めたい悪い習慣があれば、やりたくないことと抱き合わせる。

環境を変える

もし、あなたが目指したい姿やそのための習慣が、あなたの周りの人に理解されなければ、その習慣を身に付けるようとすると、周りからバカにされたり、止められたりすることがあります。
これは、習慣化のための大きなハードルになります。

一番の解決策は、周りにいる人を変えることです。あなたが所属するコミュニティー(友人関係、会社など)をあなたと同じ価値観を持つ人がいるコミュニティーに変えましょう。

モチベーションを高める儀式

習慣をポジティブな感情を結びつけるために、習慣を行う前にモチベーションを高める儀式を行う。
難しい習慣のハードルを下げることができるようになる。
例えば、瞑想をする、深呼吸をする、好きな音楽を聞くなど。

悪い習慣をやめるためには、その習慣を続けたらどんなひどい問題を引き起こすかを理解することが効果的です。

第3の習慣:易しくする

易しい行動からはじめる

習慣化は、何時間行うかよりも何回行うかが重要です。
何度も行えば、それは習慣となります。習慣となれば努力しなくても自動的に行動できるようになります。長期的な成功を求めるなら、結果ではなく習慣化することを優先させましょう。

そのためには、習慣化したいことの難易度をできる限り下げて簡単にしましょう。

例えば、
・運動を習慣化したいなら、1日5分だけウォーキングする。
・読書を習慣化したいなら、1日5分だけ本を読む。など

習慣化してから少しずつ習慣のレベルを上げていくことで、挫折する確率を下げることができます。

これには短期的な視野ではなく、長期的な視野が必要となります。

環境を整える

第1の習慣で環境を作ることを述べているが、行動を容易に行えるように環境を整えるの習慣化には有効です。

可能な限り、自動化や習慣を行うためのプロセスを減らしましょう。
例えば、
運動を習慣化したいなら、トレーニングウェアや運動靴は事前に縦鼻をしておく。
健康的な食事を習慣化したいなら、週末に料理しやすいように野菜などの食材を切って保管しておく。

すぐに行動できる環境に整えておくことで、習慣化のハードルをさげることができます。 

逆に、悪い習慣をやめたいなら、行動しにくいように環境を整えることが効果的です。
例えば、ダイエットのために食べ過ぎを防ぐなら、カロリーの高い食べ物は買わない、目に見えるところに置かないようにするなどである。

入口のハードルを下げる2分間ルール

行動は始めるのに一番エネルギーを使い、始めてしまえば意外とできてしまう。
行動をはじめるため習慣をできるだけ簡単にすることが、行動するために有効である。

行動のハードルを下げるために「2分間ルール」を使おう。
2分間ルールとは「新しい習慣を始めるときは2分以内でできるものにする」というものです。

・「5キロ走る」→「ランニングシューズの靴紐を結ぶ」
・「寝る前に読書する」→「1ページ読む」

背水の陣

習慣化するために、強制力を働かせる方法がある。それが背水の陣法である。後戻りできないように自信を追い込むことで強制的に行動を促すことができる。

例えば、次ようなことを行うことができる。
・あなたの行動や目標を周囲に宣言する。
・学習プログラムに一括で申込む。

悪い習慣を止めるときも、行動を制限するように背水の陣法を利用することができる。

自動化する

習慣化のハードルになる作業をテクノロジーを使って自動化することは有用です。

例えば、定期的な習慣は、ToDoアプリやカレンダーアプリなどでリマインドするとか、スマートウォッチなどで行動記録を自動的に記録するなど。

利用できるものは何でも利用する。

第4の習慣:満足できるようにする

行動の強化

通常、行動を変化させてもすぐに結果に結びつくことは少ない。
そのため、結果がでるまえに行動を止めて挫折してしまうことが多い。

逆に、すぐに結果(報酬)が得られる行動は習慣化しやすい。
しかし、短期的に報酬が得られる行動が、長期的な報酬が得られるものとは限らない。

例えば、ケーキを食べると、おいしいものを食べれたと短期的に満足する(報酬を得られる)ため習慣化しやすい。しかし、長期的には肥満や様々な病気の原因となる。
多くの人は、健康で美しい/格好いい体になりたいと思っていると思い、健康的な食事や運動を習慣にしようと考えるが、これは短期的には我慢を強いられ習慣化しにくい。

習慣化を促すためには、行動に対して対してすぐに報酬を与えることが有効です。

例えば、仕事から帰ってきて「ランニング」をしたら「温泉で体を癒す」などの短期報酬を自身に与えるなどがよい。

この報酬だが1つ注意点がある。短期報酬は長期報酬と反しないものとすることです。健康になるためにランニングした報酬がポテトチップスなどのジャンクフードでは、長期報酬の健康を得ることはできないため、長期的な効果は期待できない。

記録を付ける(習慣トラッカー)

記録を付けることは、行動に対する満足感を高める良い方法の一つです。

積み重ねてきた行動が見えるようになることで、記録自体が報酬となりやる気が継続する。記録を取る人は取らない人よりも習慣が続けることができ、目標も達成しやすいという調査結果もある。

習慣トラッカーを付けることで、記録が途切れないようにしたいという心理になる。これにより習慣化を助けることになる。

もし、記録が途切れても悲観してはいけない。また再開すれば問題ない。

さらなる戦略

何を習慣化するべきか

せっかく習慣化するなら、自分にとって効果的な行動を習慣化するのがよい。

例えば、健康になるためや基礎的な教養を身に付ける習慣は、誰でも習慣しても良いと思う。

ただ、ビジネスを拡大したりスキルを身に付けるような行動は、自信にあったものを選ぶのが良い。
人は違った才能を持っているので、同じ行動をしても同じ結果が得られるとは限らない。
才能がある得意分野で成功するための行動を習慣化する方が良い結果を得やすい。

ゴルディロックスの原理(最高のモチベーション)

最高のモチベーションを保つための行動の難易度についてです。

ゴルディロックスの原理では、現在の能力ぎりぎりの作業をしているときが、モチベーションが最も高くなる。あなたのレベルが上がれば、それに合わせて行動レベルを上げることで最高のモチベーションを保つことができる。

しかし、いつかは行動レベルは上限に達して、習慣化したものは退屈となる。退屈でもスケジュール通りに行動を繰返すことも大切な時がある。

柔軟なアイデンティティー

習慣化はアイデンティティーを変えることだと「行動の変化の3層」で述べた。

習慣化に成功してアイデンティティーを確立すると、そのアイデンティティーに固執してしまい状況の変化に対応できなくなることがある。

アイデンティティーに柔軟さを持たせて、時にはアイデンティティーを再定義することで、どんな環境にも対応できるようになる。

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